
働きアリから見る、種の生存本能
働きアリが持つ「262の法則」について聞く機会があり、気になって調べてみた。「よく働くアリ2割・普通に働くアリ6割・サボるアリ2割」という分布が自然に現れるらしい。そしてこれは人間社会にも自然と現れるみたいだ。
よく働くアリだけを集めてもサボるアリが生まれる
とても不思議なのが、よく働くアリだけを集めても、その中で必ずサボるアリが生まれて「262」の分布になるらしい。そしてこの現象にこそ種の生存本能の秘密がある
サボるアリの役割
一見ムダに見えるサボるアリだが種の生存戦略的にとても意味がある。
- 非常時の予備労力
普段は働かずに非常時に予備労力として働くバックアップとして機能する。
- イノベーションの源泉
サボるアリがいち早く環境変化に対応する行動を起こす。
つまり「はみ出し者」こそが真っ先に新しい行動パターンを試す存在となり、生存戦略の核となるのだ。
革命を起こすのは、いつも「はみ出し者」
国の運営に当てはめてみると「体制派2割・大衆6割・反体制派2割」と言える。体制派の役割は、6割の大衆を先導して8割の現体制の維持にある。そして現体制に反対する2割の反体制派は常に存在する。これで運営が上手くいってる間は問題ない。
しかし現体制にほころびが生じ、大衆の不満が募ると6割りの大衆を先導できなくなる。すると大衆は徐々に反体制派に寝返っていく。大衆の不満が最高潮になれば6割の大衆は反体制派に先導されて8割の反体制派を形成する。8割の反体制派により2割の現体制は破壊され革命が起こる。革命のメカニズムは大体こんな感じだと思うが、革命に重要なのは「反体制派の存在」だ。この存在がなければ6割の大衆を巻き込んだ革命は起こり得ない。
仮に10割が「体制の維持」をすれば、その組織は生き残れない?
世界では歴史上、数々の革命が起きている。明治維新やフランス革命、アラブの春などはその象徴的な出来事だ。それらは国という組織を存続させるために必要な革命であったと思う。もし仮にそれらが起こらなかったら、10割の人間が「現体制の維持」に努めていたら、その国は消滅していたのかもしれない。
FXにおいては反体制派にあたる「2割の負けトレード」が革命の核となるのでは?
262の割合ではないかもしれないが、会心の勝ちトレード2割、平凡なトレード6割、痛い負けトレード2割であれば、「痛い負けトレード」こそが革命の核となるはずだ。だからこのトレードを切り捨てて考えてはいけない。最も重要視して考えていく必要がある。
・負けトレードになんらかの傾向はあるか?
・逆転の発想で負けトレードから勝つための優位性を見いだせないか?
みたいな事を考えて自分を変えていきたい。
変わらないことは、死ぬこと。生き残ることは、変わること
いままでの事を踏まえると、現状の維持 (= 変わらないこと)はいずれ腐敗して死んでいく。生き残るということは、変わることなんだ。と思わせてくれる。これは組織においてもそうだし、アリにも個人の人間にも、全ての生物に当てはまる自然の法則だと理解した。
FXの世界においても「変わる意識」を持って臨むことが最大の生存戦略なのだ。そのために「今の環境」を把握する必要があるし、「環境の変化」を素早く察知して、それに対応していく必要があるのだと強く思う。
「変わる意識」を持つことが、そのまま「生き残る意思」になることをサボるアリから学んだ。アリマジリスペクト。